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活動紹介

【山崎知巳】咋日、理科大MOT修了生で、社でご活躍中のお一人、JSRイノベーション推進部 小林部長にインタビューして来ました。

 

先日の入試広報イベントで、理科大MOT修了生のお一人がパネルディスカッションに参加して、「MBAは過去を振り返るところ、MOTは未来を考えるところ」と発言しました。これはとても大きな一言です。

本イベントをきっかけに、MOTで未来を考えた結果どのようになったのか、これから修了生にインタビューして「経験者は語る」風にまとめていこうと考えました。

 

【JSR イノベーション推進部 小林部長】(2019.12.19)

咋日、理科大MOT修了生で、社でご活躍中のお一人、JSRイノベーション推進部 小林部長にインタビューして来ました。

 

○通学時期・きっかけ

理科大MOTが開講して2年目の2005年に入学した2期生。東芝OBである森健一先生のゼミ(当時)に入った。東芝はJSRと以前から付き合いがあり、森先生がJSRでご講演されて知り合ったのがきかっけ。森ゼミに入ったのも自然の成り行き。

研究所から本社へ転勤となり何か武器が欲しいと思った。いくつかの大学院を調べて回ったが、受けるなら東京理科大学MOT、森先生にお世話になろうと。

企業で実務経験のある有名な先生方がいてとても刺激的、臨場感があった。飛び込んで行ったという感じで、全て新しいことだらけだった。

 

○MOT前後で自分が変わったこと

外の情報を取るようになったし、取れるようになった。その場合に大きいのが、先生、在校生、卒業生からの情報。MOT仲間から簡単に色々聞けるようになったのが大きい。

MOTに行く前まではコネクションが限られていた。現在は、多方面から情報を得ており、自分の取組内容が変わってきている。

自分は研究者で四日市研究所に勤務していたが、そこから本社に来たのが2003年。研究賞などを受賞し、研究開発の面白さが分かってきたころであり、研究者としてずっと過ごすつもりだった。

本社に来て、自然科学から社会科学の世界に来たと。実験データが全てであったのが、役員が言うとそれが絶対になる世界へと。とにかく(役員を説得する)武器がなかった。

研究所にいたころは、実験データは絶対的なものであった。。これが大きな武器で、データがこうだからこうするべきだと言えた。

社会科学の世界で大事なのは一流の情報。社長始め役員に説明するときには、社長、役員が持っている情報とは違う情報を持ってきて説明する必要がある。

本社に来て3年目で理科大MOTに通えたのはタイミング的に良かった。自分の中で大きく考え方が変わった。

平日夜2日、土曜丸1日通って、日曜レポート作成。子供がまだ小さいのに、汲々とした生活を送っていた。

 

○具体的に役立っていること

色々あり過ぎて。ただ、何と言っても情報収集の重要性を悟ったのが一番かと。大きな括りで言うと「マーケティング」が役立っている。

素材メーカーは基本的にマーケティングが弱い。顧客のスペックを満たす材料作りをしていて、エンドユーザーが求めるものが何かを考えることができない。

JSRにとって新しいことと世の中にとって新しいこととは違う。会社で新しいと思っても世の中ではそうでないかもしれず、盲目のまま突っ込んでいくことがある。

最近は新しいことをする際には、外部人材の利用、採用が多くなった。

 

今でもMOTの教員にアドバイスを継続的に求めているし、それに応えてくれている。GEのデジタリゼーションなど事例紹介、本の紹介、考え方の紹介、・・・・などなど。

 

○印象に残っていること

経営者はとても我儘だと。ただ、経営者出身の先生と神楽坂の安い居酒屋で飲んだりしていると、不思議と自分に度胸が付いてくるようになる。とにかく実務者が多く、ためになることが多かった。

 

○当時の同僚とのその後の付き合い

現在、新規事業を担当しており、ビジネスモデル、VC、ベンチャー企業について、ある会社の社長(一期上)に相談したり、某医大の先生(同期)と一緒にプロジェクトをやろうと誘って実際取り組んでいたり。当時の人間関係そのままなので、NDA結んでやるのでなく、オープンで議論する。もちろん相手は選んでだが。

 

○今の仕事に生きていること

仕掛けることはできる。とにかくバッターボックスに立つこと。失敗してもいい、とにかく仕掛けることが大事と学んだ。

当社は素材メーカーであり、自前でゼロから作り上げてきた事業が多い。フォトレジストが100億円の売り上げ規模になるまで25年要、液晶材料は17年要した。

一方、ライフサイエンス事業は川下展開などを狙った大規模M&Aで短期に売上高400億円を超えた(全売上の1割弱)。事業を構築していくにはそれぞれの方法があるが、私の部署は、もっと顧客視点でトータルソリューションをお客様に届ける取り組みを行っている。事業をプロデュース(描く、組み立てる、繋ぎ合わせる)する力が必要である

ビジョンを描いて、パートナーと一緒にエコシステム創り上げる。このトライアルをガンガンやっている。10月には当社で外部にファンドを作ってオープンイノベーションを加速しようとしているのも新規事業創出を行っている我々にとっては追い風となっている。

(以上)

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