2021年3月修了梅田 幸子

田辺三菱製薬株式会社
ビジネスデベロップメント部
アライアンス推進グループ シニアマネージャー
FOOD Cure株式会社
代表取締役

サイエンスとビジネスの架け橋となるために

学びの先に見えた“起業”という名の実践

現在、田辺三菱製薬株式会社に在籍しながら副業制度を活用してFOOD Cure株式会社を経営しています。当社は農作物をはじめとする素材の“チカラ”をもって、「ヘルスケア」「農業」「地方」の3領域が抱える課題を同時解決していくことをコンセプトとしています。実はこのコンセプトの立脚点こそが、理科大MOTのグラデュエーションペーパー(GP)でした。当時、取り組んだテーマは「農業と予防医療」といって、まさに当社の事業と重なるものです。

振り返ればGPの執筆は、先行事例の分析を通して課題解決の仮説を組み立てていく辛くも楽しい時間でした。在学の2年間で鍛えられた思考回路とツールを総動員して書き上げたことが思い出されます。そのプロセスに大きな達成感を感じ、どうせなら成果をビジネスの実践に繋げてみたいと考えるようになったのです。本業と副業の両立は、今なおGPを書き続けているような忙しさですが、修了後も先生方からアドバイスを頂き、学友たちは各自の専門領域で事業を支援してくれています。まさに本学の人脈は私にとっての財産です。

 

 

外に出たことで明るみに出た課題に立ち向かう

もともとは研究者として新薬開発に従事していましたが、数年前に転機が訪れました。

主導していた研究プロジェクトが、事業化に向けて進捗したのです。本来、研究者は前線から離れ、事業部へと業務主管を渡す場面です。しかし、私の選んだ道は違いました。自らビジネス交渉まで担当するため、事業部への異動を願い出たのです。いざ専門領域から出てみると、自分の知識不足を痛感するばかりでしたが、一方では技術を事業化に繋げるプロセスに当社のボトルネックがあると気づくこともできました。

理科大MOTの門を叩いたのは、それらを解消するためにほかなりません。数々の講義に没頭する中、短時間で事例を読み解く集中力と、資料にまとめる瞬発力を培うことができました。学びは修了後の今も継続中、起業という形で、先生方や学友に助けられながら、ビジネススキルを磨いています。この副業で得た経験が、本業でも活きていることは言うまでもありません。サイエンスとビジネスの架け橋になるという「理想」と、本業と副業の両立という「現実」。その両面を支えてくれているのが、理科大MOTという存在です。

修了生・在校生の声