2025年3月修了中村 絵理子

株式会社Gakken
O18事業部 部長

変革の鍵を求め異業種の仲間に学び仮説思考を磨く

危機感が導いた学び直しという選択

インテリア誌の編集からキャリアをスタートし、現在は大人向けの実用書、一般書の編集部門でマネジメントをしています。周知のとおり出版業界は厳しい状況が続いており、私も日々打開策を模索し続けています。本学MOTへの入学を決めた根底には、その糸口を求めていたことがあります。また、編集者という職人気質のメンバーを、より良くマネジメントするための基礎を学びたいとも考えていました。
本学MOTには実に多様な業種の学生が集まっているのですが、その“異文化交流”から得られる体験は貴重です。例えば、理系の学友たちが作る資料は、定量的なデータに裏打ちされ、その説得力は私では生み出せないものでした。一方、資料を分かりやすく整えることに関しては、私から学友に助言できることもありました。他者と交わることで、「できること」と「できないこと」の輪郭が見え、自身を客観視できたと感じます。

 

GRITと信念が拓く新規事業の道

日々の業務で感じていたのは、困難な案件をやり遂げて、成果を上げている社員の共通点が、スキルや肩書ではなく、何があってもやり抜くという姿勢にあるということでした。では、その力の正体は何か? それを突き詰めてみようと思ったのが、グラデュエーションペーパーの出発点です。分析の中で気づいたのは、GRITの根底には「自分が本当にやりたい」、外部環境を分析した上で「やるべきだ」という確信=信念(Belief)があるということ。私はGRITと信念の掛け合わせを“B-GRIT”と名づけ、困難な挑戦を成し遂げる力の正体であると結論づけました。この研究を通して構築した仮説は、これから新たな事業に挑戦するときに検証を続けたいと思います。
出版業界は厳しい局面が続きますが、紙媒体だけにとらわれず、IP展開や異業種とのコラボなど出口を広げる仕掛けを模索しています。本学MOTで得た視点を、現場で地に足をつけて活かし続けていこうと思っています。

修了生・在校生の声