

2023年4月入学伊藤 大介
株式会社クシム
代表取締役社長リージョン関東エリア
課長
本学で出会った人々、対話、そして、仲間との時間こそが最上の価値
経営者として不足する素養が鍛えられるハードな授業
中小規模ですが上場企業の代表となったのは、入学1カ月前でした。不慣れな代表を務めながらの就学は厳しく、入学後3カ月で理科大MOTを辞めようと思ったこともあります。しかし、経営者としての経験、知識、メンタルのいずれもが不足する私にとって、他業界や過去のケーススタディ、経営者の成功と失敗、経営理論、先生や学友との意見交換など、自社の経営に活かせるインプットの機会が無限に広がる理科大MOTの環境は替えがたく、学びを止めることはできませんでした。中でも印象的な授業では、事前にケーススタディの資料が配布され、それを参考に自身の経験に基づくレポートを提出します。そのレポートをもとにバックグラウンドの異なる学生たちでディスカッションする形で授業が進行していくのです。授業前からの準備、これがとてもハードだったのですが、振り返ると最も時間とエネルギーを注いだ“精神と時の部屋”でした。その分、成長を実感し、同じ授業を受けた学生同士や先生と青春を共にしたような熱い友情が芽生える、職場では得られない大切な時間でした。
自社の課題を深掘りする中で「解」にたどり着くすべを学ぶ
私の会社では、ブロックチェーン・ソリューションやWeb3などに関わるITビジネスを行っています。グラデュエーションペーパー(GP)では、このWeb3技術を普及させるための仕組みをどうすべきか探りたいと考えています。私は企業派遣入学ではありませんので、GPのテーマは、必ずしも会社に還元する内容にしなければいけないとは思っていません。なぜなら、自分が最も関心のあることを追究し、楽しく熱中することが大切だと考えるからです。他方、講義やGPの研究過程での学びを活用し、経営課題を掘り下げて分解・抽象化したり、構造化して多面的に観察したりすることによって、解にたどりつく方法やものの見方を身に付けられるのも確かです。ですから私にとっては、本学で出会った人々、対話、仲間との時間が大切であり、そこから得られる学びが事業や経営課題解決のヒントに資することにこそ理科大MOTの価値を置きたいと考えています。その結果、おのずと経営者としての素養が磨かれていくのなら何よりですね。