

2014年修了後郷 和彦
大同工業株式会社
執行役員
学びの中で蓄えた財を 顧客に、自社に そして社会に還元していく
<My Career with MOT>
▼1985年
株式会社本田技術研究所 入社
自動二輪車の研究や足廻り設計・開発に従事
▼2013年
本学MOT 修了
経営に関する幅広い知識を吸収し、俯瞰の視座を獲得。
総合スキルを備えた経営人材へと成長を遂げる。
▼2019年
同社 ものづくりセンター熊本 統括に就任
▼2020年
Honda R&D Southeast Asia Co., Ltd. 社長に就任
深く広く学び、総合力を鍛える
株式会社本田技術研究所(ホンダ)に勤務していた当時、リーマンショックの影響で研究開発費の低減を強く求められたことがありました。開発室のマネージャーをしていた私は、どうにか成果を出そうと本を読み漁り、独学で開発体制の変革を試みました。その過程で知ったのが技術経営=MOTの存在です。理科大が教える技術経営というものに興味が湧き、独学から脱するためにも入学を決めました。
神楽坂での日々が始まると、現場課題を持ち寄る学生同士や教員との熱い議論が待っていました。日々のレポート作成は大変でしたが、「今日学んだ知識が、明日活用できる」という確かな手応えがモチベーションになりました。経営、組織、会計、イノベーション、生産技術、マーケティングにコンセプト創造、プロジェクトマネジメント……数々の学問に接することで、専門性の深さと知識の幅広さを兼ね備えたT型人材としての総合力を蓄えていったように感じます。
「3方よし」の追求が飛躍の糧に
当時は大型オートバイの開発を担当していたこともあり、グラデュエーションペーパーでは「電動バイクのビジネスモデル提案」というテーマに取り組みました。そこで追求したのは、顧客・自社・社会に価値を生む「3方よし」を実現すること。Hondaフィロソフィー「三つの喜び」(買う喜び・売る喜び・創る喜び)にも通じるものがあり、このときあるべき事業の形を徹底的に考え抜いた経験が、後のキャリア形成の糧にもなりました。修了後、ものづくりセンター熊本の統括や、Honda R&D Southeast Asia Co., Ltd.の社長を務めましたが、本学MOTで修得した俯瞰の視点が、適切な意思決定を行う上で役立ったと感じます。
修了して10年以上がたっても、学友との絆はいまだ健在です。医療領域やエネルギー関連分野でさまざまな事業のコラボレーションも実現しており、共に産業界を支えられていることに誇りを感じています。本学MOTのネットワークと知恵で、これからも社会に貢献できれば幸いです。