2017年修了高木 大輔

リコーバイオサイエンシズ株式会社
代表取締役社長

自由に、真剣に もがくことを楽しみ 事業を開拓していく

<My Career with MOT>

▼1998年
アプライドマテリアルズジャパン株式会社 入社
銅配線形成プロセス開発・装置開発等を担当
▼2007年
株式会社リコー 入社
バイオ3Dプリンティングプロジェクト等、数々の事業を立ち上げ
▼2017年
本学MOT 修了
経営の知識と視座を修得し、リーダーのポジションから飛躍。
米国企業との共同研究から出資提案を実現する。
▼2019年
エリクサジェン・サイエンティフィック社 入社(*2025年に社名変更)
 CDMO事業の立ち上げと発展に貢献

 

事業化の暗中模索で求めた手がかり

株式会社リコーの研究者として3Dプリンターの開発に携わっていた当時、技術そのものには一定の手応えを感じていたものの、それを社会実装し、持続的な事業として成立させることの難しさに直面していました。いかに優れた技術であっても、収益が出なければ企業も技術者も守れない。その焦燥と葛藤の中、突破口を求めて本学MOTに進学する決意を固めました。

本学MOTの授業は、教員も学生も真剣勝負。その気迫に感化され、すぐに私も学びに没頭していきました。経営者やCXOが登壇する授業では、事業化への覚悟や、夢を持つことで発揮される“もがく強さ”を学びました。なんといっても最大の収穫は、ゼミや授業を共にした多様な学友との交流にあります。企業の枠から解放され、自由闊達に語り合えたあの時間は、財産以外の何物でもありません。今も関係が続く彼らは、仕事の本質と向き合う機会をくれる大切な仲間です。

 

経営で支える、研究者の「理想工場」

現在、私が代表を務める企業は、iPS細胞技術とmRNA技術を基盤としたバイオ創薬支援事業を展開しています。私自身、遠回りを重ねながら幾つかの事業を立ち上げて、失敗もしてきた経験を顧みると、イノベーティブな仕事を継続するためには、研究者にとっての「理想工場」を創り上げることが大切だと感じています。すなわち、失敗を恐れることなく、やりたいことに自由かつ真剣に取り組める環境づくりが。そのために活きているのが、本学MOTでの授業でありゼミであり、グラデュエーションペーパー作成で得た経験・知識にほかなりません。特に会計やファイナンスの知識は、損益分岐点を超えるための貴重な武器として、非常に役立っていると実感します。

現在も顧客開拓、組織運営、他社との協業体制構築等を推進しながら、バイオメディカル業界にニッチなポジションを築けるよう苦闘する日々。ですがそれが非常に楽しく充実しています。若い世代に経験を還元しつつ、私自身もなお挑戦を続けたいと思います。

修了生・在校生の声