

2018年修了斎藤 由希子
日本マクドナルド株式会社
取締役 執行役員 チーフ・ピープル・オフィサー
生涯のテーマと向き合い 探究し続けるための 理論と視座を得た場所
<My Career with MOT>
▼1999年
ヤフー株式会社 入社
人財開発関連の部署を渡り歩き、人事業務に関して造詣を深める
▼2018年
本学MOT 修了
経験と勘、暗黙知による仕事の仕方から脱却。
「戦略」「経営管理」「組織行動」の観点から各種施策を設計・構築・運営する経営者としてのスキルを修得。
▼2018年
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 入所
▼2021年
日本マクドナルド株式会社 入社
執行役員兼チーフ・ピープル・オフィサー(CPO)就任後に日本マクドナルド株式会社 取締役
異なる視点を持ち寄ることの価値
前職の経験になりますが、長くIT企業で人事業務を担当し、エンジニアと人事の議論がかみあわないこともありました。エンジニアと対等に議論ができる知識をつけ、エンジニアのモチベーションの源泉を理解した上で、ビジネス戦略の深い議論をしたい─そう思ったことから本学MOTへの入学を決意しました。
実践志向の本学ですが、その特徴は徹底した現場重視にあったと感じます。例えば「行動観察」をテーマとした授業では、学食の行列を解消するために、観察とデータ収集、プロトタイピングを回して、オペレーションの改善施策を立案しました。その過程で理論を血肉にしていくことが本学らしさなのかもしれません。当時の学生は7割がエンジニアや研究職の方々。バックグラウンドの異なる仲間たちと議論を深める中で、自分の専門である人事分野についても相対化して捉え直せたのではないかと思います。正解を教わるのではなく、異なる視点を持ち寄って本質を問い直す。その濃密な体験は率直に楽しいものでした。
問い続けたテーマが軸になった
いわゆる修士論文に当たるグラデュエーションペーパーのテーマは、「働きやすさと生産性の共進化メカニズム」です。5年分、約3万件の従業員満足度データをもとに、個人業績や財務指標との関係を実証分析しました。人的資本の蓄積がどう生産性につながるかを探る挑戦でしたが、仮説通りに進まず、たびたび壁にぶつかったものです。それでもゼミ仲間や先輩の支えに助けられ、最後までやり抜くことができました。
この研究テーマは、修了後のキャリアにもつながっています。法律事務所への転職を経て、現在は日本マクドナルドでCPOを務めていますが、どの職場でも私は「人が生き生きと働ける組織とは何か」を問い続けてきました。今では本学で得た理論や思考プロセスを基盤に、従業員エンゲージメントを高める仕組みづくりや職場改革をリードしています。これからも関わる全ての人を笑顔にするため、本学MOTで見いだしたテーマの探究を続けていきたいと思います。