2015年修了岩崎 弘利

株式会社デンソーアイティーラボラトリ
代表取締役社長

限界まで考え抜いたその濃密な時間が経営者としての原点

<My Career with MOT>

▼1990年
株式会社デンソー 入社
ソフトウェア開発に従事
▼2000年
株式会社デンソーアイティーラボラトリ 出向
プロジェクトリーダーや研究職を務める
▼2010年
同社 CTOに就任
▼2015年
本学MOT 修了
経営理論を学ぶことで、マネジメントに関する自信を構築。
自社にて状況に応じた機動的な組織変革を実現する。
▼2025年
同社 代表取締役社長に就任

 

「思考の型」をわが物とするために

もともと技術職としてキャリアを積んできましたが、経営層の役割が視野に入るとともに、経験や直感だけで意思決定を下すことに限界を感じ始めました。そこで経営を論理的に捉え直そうと学びの場に選んだのが本学MOTでした。いざ一歩を踏み出してみると、日々押し寄せてくる課題に圧倒されてばかりだったと白状しなければなりません。正解のない課題に立ち向かい、自らの経験を交えて思考をまとめる作業は、想像以上の負荷でした。しかし負荷をかけただけあって、思考パターンを活用する筋肉のようなものは、徹底的に鍛えられたと確信しています。

特に鍛えられた授業として『経営戦略』が印象的です。先生と学生の対話を中心とした講義は非常にエキサイティングで、予想外の展開を見せることも多いのですが、終わってみると必ず豊かな収穫があり、おのずと思考の幅も広がっているのでした。その不思議な体験は、顧みても貴重なものだったと感じます。

 

実務に還流される学びと“社会人の青春”

単なる知識修得にとどまらず、現場で即活用できる実践知を獲得していくことが、本学MOTで学ぶ醍醐味です。修得したフレームワークは現在の経営判断にも大きな影響を与えており、不測の事態にも立ち向かえる課題解決力となって表れていると実感します。研究のコンセプトを設計したり財務諸表を分析したり、そのほかマネジメントのさまざまな場面で、課題や対策を整理・分析する能力が役に立っています。

今、振り返ると、あの2年間は“社会人の青春”とでも言うべき濃密な時間でした。特にグラデュエーションペーパーの作成を通して、共に脳に汗を流したゼミのメンバーとは、後々まで絶えない強固な絆が結ばれたと感じています。大人になってから本気で学び、本気で議論し、時にワインを片手に語り合う。そんな経験はそうそう得られるものではありません。その過程でおのずと培われた「思考の型」と自信は、私の経営の土台であり力の源泉です。

修了生・在校生の声