

2024年4月入学蛭川 晃
外資系資産運用会社
株式運用部
ヴァイス・プレジデント
ポートフォリオ・マネージャー
質の高い学びを浴びながら日本経済の再活性化を真摯に模索し続ける
“協奏”によって実現する質の高い学び
約25年間、日本株のアナリスト・ファンドマネージャーとして調査分析業務を担ってきましたが、経営学を体系的に学び直したいと考え、本学MOTへの進学を決めました。MBAも選択肢に入っていたのですが、金融業界出身者の少ない環境の方が、普段は接することの少ない業界や職種の学生と出会え、新たな刺激があるのではと期待したのです。そしてその期待は間違っていなかったと、今になって思います。
『海外展開基礎理論(現:グローバル技術経営論)』の授業では、毎週課されるレポートと徹底した議論を通じて、学ぶ手応えと成長実感を得ました。また、『ファミリービジネス研究』では将軍家の血筋の方を招いた講義もあり、通常では得られない深い知見に触れました。授業やゼミで交わされる対話にはギブアンドテイクの精神があり、互いに学び合う濃密な空間がそこにあります。実務経験豊富な学生と熱量の高い教員が“協奏”する、それが本学MOTの最大の魅力だと感じています。
日本の再成長を支えるために知恵を絞る
現在「地方企業の再成長戦略」に焦点を当て、グラデュエーションペーパーを執筆しています。ファンドマネージャーとして日本株運用に携わる中で感じてきた、日本経済の低成長に対するもどかしい思いが、執筆の着想になっています。日本経済の底上げには、非上場のファミリー企業が多くを占める地方企業の再成長が欠かせません。最初は少数株主の立場から経営陣にエンゲージメントを行うアプローチを構想していましたが、ゼミでの議論を通じ、経営権を取得して会社内部から変革を起こす方が効果的であることに気づきました。このように教員や仲間から刺激を受けて問題意識が変化していくことも、ここで学ぶ醍醐味だと感じます。
本学MOTで得た知見を活かし、現職では企業分析の精度を高めてファンド運用成績の向上を目指しつつ、将来は経営の立場から地方企業を再成長に導くことで、地方経済に貢献したいと考えています。自分の“魂の叫び”に向き合い、迷いながらも深めてきた学びの全てが、次のキャリアを切り拓く力になると信じています。