【若林秀樹】今後、MOTのケースなどを公開します

MOTに関する研究成果やケース等を今後、このHPで公開します。

若様ブログ~辛口アナリスト教授のケース

https://www.circle-cross.com/教授アナリストの辛口ケース/

今回は、ROE、成長率、R&D費、割引率の関係について論考、恒等式を考案しました。

(1+R&D)(1+割引率)=λ(1+成長率)(1+ROE)・・・若林のR&Dと割引率に関する恒等式案

ここで、左辺はイノベーションに対するリスクテイクの度合、右辺は、利益拡大の目標を示し、λは通常は1、リスクテイクと目指すイノベーションの成果のバランス、効率性により1前後で変わる。

既に、企業のCTOや、R&Dの関係者からは、大いに関心を寄せられた。また、先日の「イノベーションを生む企業文化」でも、紹介したところ、学生からも反響はあった。

例えば、アンリツ(中計の目標数字など)においては、全体のR&D15%、WACC5%、成長率5%、ROE15%が示され、当てはめると、

(1+0.15)(1+0.05)=(1+1.05)(1+0.15) が成立する。
セグメント内では、主力のT&Mと第二の柱のPQAがあるが、
(1+0.1)(1+0.04)=(1+0.04)(1+0.1)

一般的には、下記のようなイメージだろう。これは、あるべきR&D水準のガンダンスにもなろう。

(1+5%)(1+5%)=(1+2%)(1+8%)・・・現在の多くの日本企業
(1+10%)(1+10%)=(1+15%)(1+5%)・・・かつての日本企業
(1+2%)(1+3%)=(1+4%)(1+1%)・・・EMS等

ここで、左辺と右辺が異なり、λ>1、λ<1であれば、これは、イノベーションへのリスクテイクと、利益拡大の目標コミットのバランスが悪いことを意味する。λ>1なら、美味しいビジネスであることを示している。ただ、逆にいえば、この美味しい状態は、続かず、高収益を維持し、成長したいなら、もっとR&Dを増やすべきだろう。逆に、このR&Dであれば、市場の潜在成長性があっても、その機会を損失することになる。常に、この「恒等式」を配慮し、4変数の妥当性をチャックするべきだろう。

ROEについての議論は、2000年以降、学会、金融、産業も含め、業界で多いに議論されている。成長率については、昔からマクロ経済学の話題である。割引率(株主資本コスト、あるいはWACC)については、この数年、決算説明会や個別でも経営者の他、学会や東証等にも議論を投げかけているが、まだ認識は低い。R&Dについては、MOT学会その他で昔から主要な議論となっているが、企業が発表する数値を所与として分析しており、その中身については、議論が十分ではない。
この1-2年で、論考してきたのが、ROE、成長率g、R&D費、割引率rの関係が、何等かの式で表現できないか、f(ROE、g、r、R&D)=一定?ということだ(厳密にはP/Lだけなので、ROEより営業利益率等が適切)。それが、明快な式で表現できた。

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