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平成28年度MOTイブニングセミナー 未来を切り拓く組織づくり第4回「面白い会社をつくる 〜仲間が面白いから仕事が面白い〜」を開催(10/26開催報告)

2016/11/08掲載

平成28年10月26日(水)、神楽坂校舎「PORTA神楽坂」にて、平成28年度MOTイブニングセミナー第4回を開催しました。後期の共通テーマは「未来を切り拓く組織づくり あなたの組織をイノベーティブにするためには?」で、今回の講演者は、面白法人カヤックの代表取締役CEO・人事部の柳澤大輔氏。テーマは「面白い会社をつくる 〜仲間が面白いから仕事が面白い〜」でした。大きな笑いも沸き起こる、楽しくも示唆に富むイブニングセミナーとなりました。



【カヤックを創設した経緯と事業内容、実績】
面白法人カヤックは、1998年8月に、柳澤氏が慶應義塾大学時代の友人と3人で創設したベンチャー企業で、事業内容は「日本的面白コンテンツ」の制作と提供です。2005年1月には合資会社から株式会社に昇格し、2014年12月には東証マザーズに上場。2016年5月末現在の従業員数は単体で249名と、右肩上がりの成長を続けており、社会から注目を集めている企業の1つです。

講演では、まず柳澤氏がカヤック設立の経緯について、次のように説明しました。「大学1年生の時、友人2人と、『大学卒業後2年経ったら再び集まり、起業しよう』と約束しました。会社の要素である“組織”と“事業”という観点では、創業の時点では、『組織をつくる』ということのみが決まっており、事業内容については決まっていませんでした。しかしながら、面白コンテンツをつくるということをひたすら続けてきたという点では一貫しています」


現在のカヤックの事業の内訳は、企業などから依頼されてつくるコンテンツが約25%、それ以外の75%は自分たちで考え作成し発信するコンテンツで、これまで広告賞などを数多く受賞してきました。

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)が急速に実用化され始める中、カヤックでも関連したコンテンツの作成に注力しており、「面白いものをつくるということに特化すると、最先端の技術に着手しないわけにはいきません。そのため、創業以来、常に最先端のデジタル技術にはいち早く取り組んできました」と柳澤氏。

また、現在、75%を占める自ら制作、発信しているコンテンツのうち、約50%をゲームが占めているとのこと。カヤックがゲーム分野に参入したのは2009年で、創業者の1人で、現在CTOを務める貝畑政徳氏がケータイ向けのゲームアプリを開発しヒットしたことが上場のきっかけになったといいます。

しかしながら、ゲームは当たり外れが大きな事業であることから、現在は、スマートフォン向けのコミュニティサイトやマッチングサイトなどの開発と提供も数多く手掛けているとのこと。


また、柳澤氏は、社員の職種について、「面白コンテンツつくることができる人材だけの組織にしようと考えたことから、現在、社員の約9割がWebクリエイター」と説明。続けて、「『戦略とは絞ること』だとすれば、何かに特化した人材の方が強いと考え、クリエイターという職種に特化しました」と語りました。

また、職種をクリエイターに特化したことで、評価制度や働き方もクリエイターに合わせたものにすればよいと考え「逆に、多種多様な価値観、職種の人がいると、最大公約数的なルールを考えざるを得ないやめ、全員が満足するようなしくみにはならないと考えました」と柳澤氏。

一方で、クリエイター以外の職種が必要な事業に関しては別会社とし、そこではクリエイターは抱えずカヤック本体がサポートするという体制をとっているとのこと。また、新規事業立ち上げの際には、競争優位性が発揮できるクリエイティビティや技術力、オリジナリティが問われる分野であるかどうかを判断基準にしているといいます。


【サイコロで給料を決める「サイコロ給」の果たす役割の大きさ】
次に、柳澤氏は、カヤックが創業当時から導入している「サイコロ給」を紹介しました。これは毎月サイコロを振って、その目の数に応じて給料が決められるというものです。例えば、6の目が出たら基本給に6%上乗せされるという制度です。

柳澤氏は、サイコロ給を導入した経緯について、次のように説明しました。「起業前、周囲に『友人と3人で面白い会社をつくる』と話したところ、皆に言われたのが、『友人同士で会社をつくるとうまくいかない』ということでした。理由は、『将来、金銭面でもめるから』。それに対し、私は、せっかくもらったアドバイスなので、『それに取り組みました』という姿勢を見せようと考えました。サイコロで給料を決めるようにすれば、金銭でもめるのが、バカバカしいと思うのではないかと考えたのです」。

ところが、このサイコロ給が、カヤックの企業文化の形成に大いに役立ったといいます。「サイコロ給の果たす役割の大きさに気付いたのは、創業後15年ほど経ってからでした」と柳澤氏。


次に、柳澤氏は、「面白法人」というキャッチコピーに込めた3つの思いを紹介しました。それは、(1)「まずは、自分たちが面白がろう」(2)「周囲からも面白い人と言われよう」(3)「誰かの人生を面白くしよう」だといいます。

「この中で最もむずかしいのは(1)で、そもそも面白がるという企業文化はどうやって作ればよいのかということを、徹底的に考えました。結論から言えば、『評価が文化をつくる』ということです。つまり、面白がって働いている人を評価する組織にすれば、それがそのまま企業文化になるということに気付いたのです」と柳澤氏。

しかしながら、楽しく働くためには、人の評価を気にしないで済む環境が不可欠です。「言い換えれば、他者との比較から解放されない限り、人は面白がれる状態にはなれません。それに対し、カヤックには、サイコロ給という、他者の評価が一切関与しない制度があったのです。これが、図らずも、『面白く働こう』というメッセージになっていたのです」と柳澤氏。


【“ブレスト”が面白法人カヤックの要】
柳澤氏は、会社として「面白がる人を増やす」という目標は掲げたものの、具体的な戦略については掲げていなかったため、「つくる人を増やす」ということを経営戦略にしたといいます。

しかしながら、会社の規模が大きくなるにつれて、すでに出来上がった組織とルールであれば乗りやすい社員が増えていきます。そのような中にあっても、常につくる人を増やしていくためにはどうすればよいかについて考えました。それがブレーンストーミングの徹底的活用です。

「ブレーンストーミング(ブレスト)です。また、ブレストで大切にしていることは、(1)仲間のアイデアに乗っかる(2)とにかくたくさんの数のアイデアを出す、の2点のみです」と柳澤氏。


「誰でも自分の声を皆が真剣に聞き、受け止めてくれるのはうれしいもの。そのため、ブレストを通して、チームワークがどんどん良くなり、フラットな組織になっていくことを実感しました。チームワークがよくなれば、たとえ、否定的な意見を言ったとしても、チームの雰囲気が悪くなることはありません」と柳澤氏。

また、合宿では、質よりも量を重視しており、より多くのアイデアを出すことを目的としているため、思いも寄らない突飛なアイデアが出る可能性が高いといいます。しかし、最大の効能は、ポジティブな性格になることだとのこと。

「面白がるとはアイデア体質、つまりブレスト脳になるということです。なぜなら、ものごとを面白がるためには、仮にイヤなことに直面したとしても、多角的な見方ができなければならないからです。これがブレスト脳ということです。しかも、ブレスト脳には誰でもなれるということがわかりました」と柳澤氏。

そのため、カヤックでは、企業文化としてブレストを根付かせること、そして、フラットな組織づくりに寄与するため、360度評価の2つに取り組んでいるとのことでした。

最後に柳澤氏は、2013年に鎌倉から始まった、街の活性化支援を楽しみながらやる「カマコン」活動について紹介しました。現在の一般参加の会員数は約130名で、学生から年配者まで幅広い年齢層が入会。月1回の定例会には100名以上が参加し、ブレストをベースに、地域を活性化するためのアイデアを出し合い、各種プロジェクトを推進しているとのこと。また、現在は鎌倉だけでなく、日本全国に広がっていると語り、講演を終えました。

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