MOT73001
マネジメント領域:経営戦略
伊丹 敬之
1・2年次 選択2単位 前期 木曜日 7時限/後期 土曜日 3時限

【授業の概要・目的・到達目標】

概要:経営戦略の理論の習得とその応用分析を中心的内容とする。
授業の中心は議論である。議論の仕方は、次の二つのパターンとなるだろう。
1.教科書の論理についての疑問点の議論。
2. 事例にもとづいて、教科書の理論を適用する議論。
その際に使われる事例としては、事前に指定されたケースブックのケースを使う場合と、学生自身がその日にアサインされた教科書の内容の例としてフィットする事例を自分で探したものを使う場合と、二通りを使い分ける。

目的:経営戦略は経営の根幹である。MOTの根幹もまた、経営戦略である。そうした重要性をもつ経営戦略についてきちんとした理解をもつことは、MOTを修めようとする本専攻の学生にとっては、必須である。この専攻に学ぶ学生の大半がこの授業からきちんと学び、経営戦略についての基礎的理解を深く持てるようになることを、講義の目的としたい。

到達目標:こうした理論の修得とその応用の訓練のために、現実の事例を使った議論を中心にする。それによって、単に本を読むことだけでは得られない論理的思考の訓練のできる場としたい。
 この授業が終わった後では、自社の事例であれ、マスコミなどで読む他社の事例であれ、その背後にどんな戦略の論理があるか、あるいはどんな論理の欠如が問題か、見当がつくような状態に学生が到達することが、目標である。

【評価】
最終レポート 45%、毎回の小レポート 30%、授業での議論への参加・貢献 25%

毎回提出させる小レポートは、すべて伊丹が10点満点で採点した上で次回の講義の際に返却する。

<基準>
S評価:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている。
A評価:到達目標を十分に達成している。
B評価:到達目標を達成している。
C評価:到達目標を最低限達成している。
D評価:到達目標を達成していない。

以上の割合・基準にて、評価をします。

【履修にあたっての注意】
 この講義は前期も後期も開講されるので、自分の基礎的準備と関心に応じて、どちらを履修してもよい。すでに経営学を少し知っている人は、1年前期に履修を勧める。また、経営学の基礎に自信がなくとも、この経営戦略の授業で一種の洗礼をうけることがその後の学習態度にいい影響を与えることもあるだろう。あるいは1年前期の「マネジメント基礎」を履修してから後期に経営戦略をとる方が積み重ねになるかも知れない。どちらの選択もありうる。もちろん、2年前期まで履修を待つ選択もありうる。しかし、2年後期の履修は、MOTペーパーの負担と重なるので、おそらく望ましくないであろう。
 ただし、例年、後期に履修が集中して前期の履修者が少ないので、もっと前期履修者が多くなることを期待する。クラスの人数が平均化する方が、履修効果は上がるので。

【準備学習・復習】(準備学習と復習に必要な時間は1科目あたり合計45時間程度が目安)
 クラスでの議論に参加するためには、教科書の基礎理論の徹底的な理解がまず必須である。理論の理解なしにたんに事例を議論するのは、時間の無駄である。教科書の徹底的な事前読み込みを準備学習として要求する。
 また毎回戦略分析小レポートを授業日前日までに提出させる。それもまた準備学習となる。全員のレポートの中からいいもの数点を選んでこちらでコピーし、授業の際に配布する。授業はすべてその配布レポートをベースにした議論となる。全員のレポートは採点して原則として翌週返却。配布された優秀レポートを復習として自分のレポートと比べることが、いい事後学習になるだろう。
 戦略分析小レポートは、事前指定のケースを分析する場合(ケースレポート)と自分で事例を探した上でそれを各自が分析してくる場合(独自事例レポート)の、どちらかとなる。小レポートの長さはA4一枚とする。
 教科書の章の内容を二週にわたって、ケース本ケース分析と独自事例分析をさせるので、それがいい復習となるであろう。

【教科書】
伊丹敬之著、『経営戦略の論理 第四版』、日本経済新聞出版社(論理本と以下で呼ぶ)
伊丹敬之・西野和美編著、『ケースブック 経営戦略の論理 全面改訂版』、日本経済新聞社(ケース本と以下で呼ぶ)


【参考書】
なし

【授業計画】
前期
項目
講義内容
1 【オリエンテーション】
戦略の感覚をもつ
リーディング:論理本 第1章
課題:「戦略の成功例、戦略の失敗例」レポート
 各人が、戦略の成功例か失敗例かと思う事例を一つ選び(成功か失敗か、どちらでもよい)、簡単にその内容と成功あるいは失敗の理由をまとめたメモを当日クラスで提出すること。それをもとに議論する。したがって、自分の手元用と提出用とメモは二部用意してくること。長さは、A4一枚。
2 【ビジネスシステムとは何か】
ビジネスシステムの基本を考える
リーディング:論理本 第2章
課題:ケース「みずほの村市場」(以下、ケースはすべてケース本にある。課題については、毎回A4一枚メモを提出のこと)
3 【見えざる資産とは何か】
見えざる資産の基本を考える
リーディング:論理本、2章再読
課題:ケース「AKB48」(A4一枚メモを提出)
4 【顧客適合 理論編】
顧客適合の概念の理解
リーディング:論理本 第3章
課題:ケース「ルミネ」(A4一枚メモを提出)
5 【顧客適合 応用編】
顧客適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本、3章 再読
課題:顧客適合独自事例レポート(A4一枚メモを提出)
6 【競争適合 理論編】
競争適合の概念の理解
リーディング:論理本 第4章
課題:ケース「コマツ」(A4一枚メモを提出)
7 【競争適合 応用編】
競争適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 4章 再読
課題:競争適合独自事例レポート(A4一枚メモを提出)
8 【資源適合 理論編】
資源適合の概念の理解
リーディング:論理本 第5章 
課題:ケース「東レ」 (A4一枚メモを提出)
9 【資源適合 応用編】
資源適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 5章 再読
課題:資源適合独自事例レポート(A4一枚メモを提出)
10 【技術適合 理論編】
技術適合の概念の理解
リーディング:論理本 第6章
課題:ケース「村田製作所」(A4一枚メモを提出)
11 【技術適合 応用編】
技術適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 6章 再読
課題:技術適合独自事例レポート (A4一枚メモを提出)
12 【心理適合 理論編】
心理適合の概念の理解
リーディング:論理本 第7章
課題:ケース「アサヒビール」(A4一枚メモを提出)
13 【心理適合 応用編】
心理適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 7章 再読
課題:心理適合独自事例レポート (A4一枚メモを提出)
14 【市場創造の戦略】
リーディング:論理本 第8章
課題:「アップル」(A4一枚メモを提出)
15 【オーバーエクステンション戦略】 リーディング:論理本 第10章
課題:オーバーエクステンション独自事例レポート (A4一枚メモを提出)
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後期
項目
講義内容
1 【オリエンテーション】
戦略の感覚をもつ
リーディング:論理本 第1章
課題:「戦略の成功例、戦略の失敗例」レポート
 各人が、戦略の成功例か失敗例かと思う事例を一つ選び(成功か失敗か、どちらでもよい)、簡単にその内容と成功あるいは失敗の理由をまとめたメモを当日クラスで提出すること。それをもとに議論する。したがって、自分の手元用と提出用とメモは二部用意してくること。長さは、A4一枚。
2 【ビジネスシステムとは何か】
ビジネスシステムの基本を考える
リーディング:論理本 第2章
課題:ケース「みずほの村市場」(以下、ケースはすべてケース本にある。課題については、毎回A4一枚メモを提出のこと)
3 【見えざる資産とは何か】
見えざる資産の基本を考える
リーディング:論理本、2章再読
課題:ケース「AKB48」(A4一枚メモを提出)
4 【顧客適合 理論編】
顧客適合の概念の理解
リーディング:論理本 第3章
課題:ケース「やまと運輸」(A4一枚メモを提出)
5 【顧客適合 応用編】
顧客適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本、3章 再読
課題:顧客適合独自事例レポート(A4一枚メモを提出)
6 【競争適合 理論編】
競争適合の概念の理解
リーディング:論理本 第4章
課題:ケース「サムスン電子」(A4一枚メモを提出)
7 【競争適合 応用編】
競争適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 4章 再読
課題:競争適合独自事例レポート(A4一枚メモを提出)
8 【資源適合 理論編】
資源適合の概念の理解
リーディング:論理本 第5章 
課題:ケース「鴻海精密工業」 (A4一枚メモを提出)
9 【資源適合 応用編】
資源適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 5章 再読
課題:資源適合独自事例レポート(A4一枚メモを提出)
10 【技術適合 理論編】
技術適合の概念の理解
リーディング:論理本 第6章
課題:ケース「DIC」(A4一枚メモを提出)
11 【技術適合 応用編】
技術適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 6章 再読
課題:技術適合独自事例レポート (A4一枚メモを提出)
12 【心理適合 理論編】
心理適合の概念の理解
リーディング:論理本 第7章
課題:ケース「ダイキン工業」(A4一枚メモを提出)
13 【心理適合 応用編】
心理適合の概念の現実への応用訓練
リーディング:論理本 7章 再読
課題:心理適合独自事例レポート (A4一枚メモを提出)
14 【市場創造の戦略】
リーディング:論理本 第8章
課題:「アップル」(A4一枚メモを提出)
15 【オーバーエクステンション戦略】 リーディング:論理本 第10章
課題:オーバーエクステンション独自事例レポート(A4一枚メモを提出)
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【備考】