MOT72101
コンセプトイノベーション領域:開発・プロトタイプ論
東 実
1・2年次 選択2単位 前期(前半) 火曜日 6-7時限/後期 土曜日 3時限

【授業の概要・目的・到達目標】

概要:プロトタイピングは、研究開発から設計・生産・販売に至るまで筋の通った有用な手法を提示するものである。プロトタイピングには、頭の中にあるアイディアから生まれたコンセプトを具現化することでの確認作業と、他人の目に見えるようにすることで、より議論が進むコミニュケーションツールという二つの機能がある。この講義では、業界に偏ることなく普遍的な事例を取り上げる。ケース、課題に関する議論を通して関連するスキルを体得できるようにする。

目的:アイディアを具現化し、最終的に製品化するまでの過程を幾つかの事例を分析して、本質を理解する。顧客の要求を”見える化する”ための翻訳ツールとして、プロトタイプが果たす役割を事例を通して修得する。”死の谷”を越え、”ダーウィンの海”を渡る過程でプロトタイプが不可欠であることを理解する。製品化に成功してもトップの座を守ることは極めて難しい。展示会、広告とプロトタイプは密接に関係があることを習得する。

到達目標:研究開発段階においては、頭にあるアイディアをコンセプトとして創り上げる手法を習得する。プロトタイピングによって試作と顧客評価の間を何度も繰り返す過程では、企業内で理解を得る手段や、顧客との翻訳ツールを作る方法を習得する。製品化に成功した後のプロトタイピングは、二の矢、三の矢を市場に送り出す手法、他社の浸食から守るための特許戦術、広告を駆使してブランドを確立する多様な手段を習得する。

【評価】
授業の出席が60%以上の履修者を評価対象とする。
 最終レポート(30%):独創性、論理力、リサーチ力を評価する。
 授業への参加・クラス討議への貢献度(35%):授業中の発言頻度、発言内容を評価する。
 課題レポート(35%):3回出される課題に対して最終レポートと同様に評価する。

<基準>
S評価:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている。
A評価:到達目標を十分に達成している。
B評価:到達目標を達成している。
C評価:到達目標を最低限達成している。
D評価:到達目標を達成していない。

以上の割合・基準にて、評価をします。

【履修にあたっての注意】
シラバスで予定した内容を変更する場合があるが、前もって連絡する。予め指定した資料を事前に読んでおくことが望ましい。

【準備学習・復習】(準備学習と復習に必要な時間は1科目あたり合計45時間程度が目安)
予め指定した文献等を学習して受講すること。
4回出す課題に対してレポートを必ず作成させる。


【教科書】
特になし。

【参考書】
伊丹敬之、森健一、鶴島克明「MOTの達人」 日本経済新聞社

【授業計画】
前期(前半)
項目
講義内容
1 第1回 イントロダクション
    プロトタイプとは
自己紹介。一連の講義内容を説明する。
アイデア創出、プロトタイプ試作、結果分析というサイクルを繰り返してテーマが決まる過程を紹介する。また、研究開発から事業化までにプロトタイプが果たす役割の認識を深める。
2 第2回 パワー半導体デバイスのプロトタイプ 自己の体験に基き、大電力をスイッチングできるパワー半導体デバイスの開発から事業化までを紹介し、何が成功の決め手になったのかを習得する。
3 第3回 プロトタイプの良い例、悪い例 (1) プロトタイプは製品開発には不可欠なものである。しかし、やり方によっては上手くも拙くもなる。事例をあげて何が良否を決める要素なのかを学習する。
4 第4回 プロトタイプの良い例、悪い例 (2)
     
引き続き、事例を学習する。
課題を出す。締め切りは4日後。
5 第5回 最新の医療診断装置のプロトタイプ
    ゲスト講義
超微小磁場の測定を可能にするセンサーを人体の診断に適用した事例を話してもらう。脊髄の診断を目指した装置を心臓に応用した結果、世界で初めて非侵襲で心房細動の様子を測定した。
6 第6回 最新の医療診断装置のプロトタイプ
    ゲスト講義
引き続き、事例を学習し、議論する。
7 第7回 ソフトウェアのプロトタイプ
    ゲスト講義
従来とは全く異なる手法で音声合成ソフトを開発し、カーナビメーカーに何度もプロトタイプを持ち込んで、結果事業化に成功した。アイデア創出から国内シェアトップになるまでの経験を話してもらい、議論する。
8 第8回 ソフトウェアのプロトタイプ
    ゲスト講義
引き続き、事例を学習し、議論する。
課題を出す。締め切りは4日後。

9 第9回 プロトタイプの事例から学ぶ本質(1)
     発表と議論
受講生が体験した例、あるいは身近に起きた事例を語ってもらい、どんな業界でもプロトタイプが欠かせないことを全員が認識する。プロトタイプの本質に迫る。
10 第10回 プロトタイプの事例から学ぶ本質(2)     発表と議論 引き続き、受講生の発表と議論を行う。
11 第11回 死の谷を越え、ダーウィンの海を渡る
     ゲスト講義
EV、定置型蓄電池に使われる急速充電電池の開発から事業までをリードした研究者に経験を話してもらう。プロトタイプの重要性を学ぶと同時に議論を通して本質を理解する。
12 第12回 死の谷を越え、ダーウィンの海を渡る
     ゲスト講義
引き続き、事例を学習し、議論する。
課題を出す。締め切りは4日後。
13 第13回 広告や展示が商品、サーピスのプロト     タイプとなる事例(1)
開発現場だけでなく、様々な場で必要とされるプロトタイプを紹介する。何処に着眼し、いかに実行するか、を学ぶ。
14 第14回 広告や展示が商品、サーピスのプロト     タイプとなる事例(2)
    
引き続き、事例を学習し、議論する。
15 第15回 プロトタイピング総括 様々な観点で学んできたプロトタイピングを総括し、知識として定着する。また、手段として多面的に活用できるようにする。最終レポートの課題を出す。締め切りは1週間後。
16    


後期
項目
講義内容
1 第1回 イントロダクション
    プロトタイプとは
自己紹介。一連の講義内容を説明する。
アイデア創出、プロトタイプ試作、結果分析というサイクルを繰り返してテーマが決まる過程を紹介する。また、研究開発から事業化までにプロトタイプが果たす役割の認識を深める。
2 第2回 パワー半導体デバイスのプロトタイプ 自己の体験に基き、大電力をスイッチングできるパワー半導体デバイスの開発から事業化までを紹介し、何が成功の決め手になったのかを習得する。
3 第3回 プロトタイプの良い例、悪い例 (1) プロトタイプは製品開発には不可欠なものである。しかし、やり方によっては上手くも拙くもなる。事例をあげて何が良否を決める要素なのかを学習する。
4 第4回 プロトタイプの良い例、悪い例 (2)
    
引き続き、事例を学習する。
課題を出す。締め切りは4日後。、
5 第5回 ソフトウェアのプロトタイプ
    ゲスト講義
従来とは全く異なる手法で音声合成ソフトを開発し、カーナビメーカーに何度もプロトタイプを持ち込んで、結果事業化に成功した。アイデア創出から国内シェアトップになるまでの経験を話してもらい、議論する
6 第6回 材料・デバイスのプロトタイプ 
    ゲスト講義
市場が飽和したと思われたシャープペンシルに新しい着想を導入して業界地図を塗り替えた体験を語ってもらう。
7 第7回 最新の医療診断装置のプロトタイプ
    ゲスト講義
超微小磁場の測定を可能にするセンサーを人体の診断に適用した事例を話してもらう。脊髄の診断を目指した装置を心臓に応用した結果、世界で初めて非侵襲で心房細動の様子を測定した。課題を出す。締め切りは4日後。
8 第8回 ゲストスピーカーによる講義を総括し
    プロトタイプとは何か、を再び定義
3人のゲストスピーカーの講義を基に「プロトタイプとは何か」について議論し、その本質を理解する。
第1回講義で定義したプロトタイプとの差異を把握する。
9 第9回 プロトタイプの事例から学ぶ本質1
     発表と議論
受講生が体験した例、あるいは身近に起きた事例を語ってもらい、どんな業界でもプロトタイプが欠かせないことを全員が認識する。プロトタイプの本質に迫る。
10 第10回 プロトタイプの事例から学ぶ本質2
     発表と議論
前週に引き続き、受講生の発表と議論を行う。
11 第11回 死の谷を越え、ダーウィンの海を渡る
     ゲスト講義
DNAチップの普及に取り組んで成功に導いた戦略と実行を語ってもらう。 
12 第12回 死の谷を越え、ダーウィンの海を渡る
     ゲスト講義
EV、定置型蓄電池に使われる急速充電電池の開発から事業までをリードした研究者に経験を話してもらう。プロトタイプの重要性を学ぶと同時に議論を通して本質を理解する。
13 第13回 死の谷を越え、ダーウィンの海を渡る
     ゲスト講義
引き続き、事例を学習する
課題を出す。締め切りは4日後。
14 第14回 広告が商品、サーピスのプロトタイプ
     となる事例
    
開発現場だけでなく、様々な場で必要とされるプロトタイプを紹介する。何処に着眼し、いかに実行するか、を学ぶ。
15 第15回 プロトタイピング総括 様々な観点で学んできたプロトタイピングを総括し、知識として定着する。また、手段として多面的に活用できるようにする。最終レポートの課題を出す。締め切りは1週間後。
16    

【備考】